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離婚後の親権・監護権
離婚後の子供の親権・監護権
離婚届には親権者に関する記載欄があります。未成年の子がいるにもかかわらず未記入の場合は離婚届は受理されません。
親権とは
未成年の子供を監護、教育し、その財産を管理するため、その父母に与えられた身分上および財産上の権利・義務の総称です。
未成年の子に対し親権を行う者を親権者といいます。
親権は「身上監護権」と「財産管理権」とに分類されます。
「身上監護権」とは、子供が一人前になるように、身の回りの世話、教育、しつけや身分行為の代理人になることです。
「財産管理権」とは、子供に代わって子供名義の財産の管理や、財産に関する法律行為を行うことです。
ただし、親権を持たない親にも子供の扶養義務はあります。
女性が子供を育てるという社会通念を元に(特に子供が10歳未満の場合)ほとんど無条件で母親に全親権を委ねる例が多々ありました。
しかし、社会システムの変化や男女同権の概念から、父親に全親権が委ねられるケースも徐々にではありますが、増えています。
ただ、母子家庭に比べると父子家庭への社会的援助は未整備であるという問題があります。
また、法律上、例外的に子の父母でない者が親権者となる場合もあります。
監護権とは
「身上監護権」の部分を切り離して、親権者とは別に監護者を定めることもでます。
監護権があれば、子供を引き取り育てる権利があります。
監護権者は親でなくともよく、子の利益に最も適していると判断されれば、祖父母や、おじ、おばでもかまいません。
親権者は離婚届に記載されますが、監護者は離婚届に記載されません。
ただ、親権は監護権を伴うものですので、一般的には親権と監護権を分けることは子どもの福祉の面からも適切ではないとされています。
監護権のない親権は、
- 子の財産管理権
- その財産に関する法律行為について子を代表する権利
- 15歳未満の子の養子縁組
- 氏の変更などの身分行為についての法定代理権
を有することになります。
つまり、監護権のみを有する親が再婚したときに、子の姓を改めたい場合や、新しい配偶者と15歳未満の子との養子縁組をする際には、前の配偶者の許可が必要になります。
このような状況でも、離婚した父と母が離婚後もスムーズに意思疎通できる関係にあれば、問題はないのですのですが、
そうでない場合には、父と母が意思疎通できないために、子に対する重要な決定ができないという事態になることもあり、親権と監護権を分けたために、
子の福祉に反するという状況が生じてしまう可能性もあります。
そのため、親権と監護権を分けるのは例外的な場合に限られるのです。
父母の話し合いで監護者を決めた場合は、必ず離婚協議書にどちらが監護者になり子供を監護養育するか記載しておいた方が望ましいです。
親権者が死亡した場合
離婚によって一方が親権者となり、その親権者が死亡した場合には、もう一方が自動的に親権者になるのではなく、後見人が立てられます。
後見人の指定では、最後の親権者が遺言で指定していた場合には、その遺言に従いますが、そうでない場合には家庭裁判所が決定します。
親権は戸籍に記載され、変更には裁判所の手続きが必要となります。
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