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離婚後の養育費

養育費とは

養育費とは、離婚などをする際、未成年の子供がいる場合に、親権をもたないほうの親が子供の養育のために支払うものです。これは、たとえ結婚していなくても請求することができます。 基本的には父母の話し合いで決定されますが、その際、金額・期間・支払い方法を必ず決めておくようにするべきです。

養育費の相場

民法は養育費の基準となる相場や算定方法などについて、何ら規定をしていません。
そのため、平成15年に、東京と大阪の裁判官で構成された「東京・大阪養育費等研究会」が、3段階の養育費算定方式を提案し、同時に子供が3人までの場合について、この計算方式によって作成された養育費算定表を発表しました。

養育費は子供の権利

相手の不貞行為による離婚であっても、相手が親権者である以上、養育費は払わなければなりません。また、子供と会えないから養育費も払わないということも許されません。 それは、養育費はあくまでも子供の権利だからです。相手がいかにひどいことをしていようと、その問題と養育費の問題は別で考える必要があります。

養育費請求調停

当事者間の話合いがまとまらない場合や、話合いができない場合には,家庭裁判所に調停を申し立てることができます。
調停は、男女一人づつの調停員の前へ、片方づつ呼び出される形で行われ、相手への要求などを、調停員を通じて話し合います。そうやって成立した調停調書は、裁判での確定判決と同じ効力を持ちます。
養育費に関する調停の場合には、子供が3人までの場合については、養育費算定表が、3人を超える人数の子供がいる場合には、上記の養育費算定方式が目安として用いられることが多いのが現状です。 この養育費算定方式は、厚生労働省が公的指針とすることを発表したということもあります。 ですので、養育費の最終的な金額について、家庭裁判所では、よほどの特別な事情がない限り、この養育費算定方式を用いた養育費算定表の金額の幅を超える金額が認められることはないと思われます。
養育費算定表が想定していない場合、例えば、複数の子供を父母が別々に引き取る場合には、上記の算定方式を適宜修正して適用し、養育費を算定していくことになるでしょう。

審判への移行

調停を経てもなお,話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され,裁判官が,必要な審理を行った上,一切の事情を考慮して,審判をすることになります。

養育費の一括払い

養育費は月払いが原則です。なぜならば、養育費は子供のための生活費だからです。
しかし、一律に一括払いが認められないということはないです。
養育費の支払いが途中で滞ってしまうことは多いですし、実際に家庭裁判所の調停においても、一括払いの要求がだされるケースはままあります。
しかし、相手が合意することが大前提であり、実際に一括払いで解決されることはごく稀です。
理由は、金額が多額になることのほかにも、養育費を一括で支払ってしまった場合に、子供との縁が切れてしまうように感じることへの心理的な拒否反応や、親権者、監護権者となる相手への不信感などがあげられます。 養育費を支払う側の人は、親権者、監護権者が自分自身のために浪費しないか、子供が途中で死亡してしまわないか、また、贈与税の支払い義務が発生する可能性がある、などのリスクを考え、それらを一つ一つ解決して決めるべきです。
また、一括で支払われた養育費に対しては、養育信託というものもあります。これは、信託銀行が一括して支払われた養育費を預かり、運用しながら、子供に信託時に決めた金額を払っていくというものです。信託の期間は5年以上など細かな条件があります。

離婚成立後の養育費の変更

1度決定された養育費の金額についても、失業や倒産などの事情の変更があった場合、増額、減額の請求ができます。話し合いで決まらないときは、家庭裁判所の調停により認められる場合もあります。
以下のような場合には養育費の増額、減額が認められる可能性があります。

  • ・賃金の大幅な減額が続くようになったとき
  • ・失業して収入がなくなったとき
  • ・再婚して扶養する家族が増えたとき
  • ・相手が再婚して、子供が新しい配偶者の養子になったとき
  • ・相手の収入が大幅に増えたとき

相手の状況によるところもありますので、養育費を支払う側の人は、「再婚したときには必ず連絡をすること」といった文言を離婚協議書に盛り込むこともひとつの方法です。


 

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